◆わたしの名山 〜九州以外の山のお話〜


トップへ!

▼穂高岳(奥穂高岳/3190m)

穂高連峰の最高峰、奥穂高岳を望む。
               (前穂高岳より)

前年、槍ガ岳などに登り すっかり魅了された私らは翌1989年8月にも、北アルプスの穂高連峰を目指し
ました。8月に日本アルプスへ遠征したのは後にも先にも この年だけでした。

普通の観光旅行では上高地の河童橋から上流の 明神、さらには 徳沢、横尾の方へはほとんど行くこと
はありません。観光客でごった返しの河童橋周辺でうろうろして、バックに穂高連峰を入れたスナップ写
真を撮り、満足して帰る人が多いと思います。しかし今や本当に自然を味わうことができるのは上高地よ
り上流ではないでしょうか。観光客がいなくなる分、上流へと向かうほど 人に荒らされていない自然が
ふんだんに残っているように思われます。

大都会のような雑踏の上高地から梓川に沿って上流へと向かいます。長い長い林道歩きですが、一般
車両は進入禁止になっているので車が通る心配がなく安心して歩くことができます。山登りの前に自分
のペースをつかむのに最適だと思います。明神まではまだ観光客も見かけるので 山の中にしては 少し
ハイカラな感じです。次の徳沢まで行くと雰囲気も一変、かなり 山ヤさんの世界になります。昔の映画で
有名になった『氷壁の宿』徳沢園があります。1990年10月、私達夫婦はここで1泊お世話になりました。

さらに横尾へと向かいます。少しづつ景色もひらけてきて梓川や周りの山々の雄大な風景を見ることが
できます。穂高岳への登高欲が高まっていく気がします。以前、横尾が近くなった頃 槍岳山荘の穂刈
貞雄さん御一行と偶然にすれ違ったことがありました。挨拶だけを交わしましたが『ラッキー!』と思った
ものでした。横尾山荘前には、槍と穂高への分岐点があります。長い林道歩きはここで終わり、登山者
達の休憩している姿を数多く見かけます。登山靴の紐を締め直して、さあ出発です。いよいよ本当の意味
の登山開始です。

穂高岳へは梓川にかかった横尾大橋を渡り横尾谷に入り、まずは涸沢を目指します。左手に屏風岩の
大岩壁を見上げながら 程よい登りが続きます。ひと汗かいた頃、鉄製の本谷橋が現れました。一休み
したい所です。これから先が本格的な登りとなります。焦らず慌てず慎重に登ります。沢の音が遠くなる
につれ、行く手に穂高の稜線が見えるようになってきました。思わず笑顔がこぼれます。しばらくすると、
木々の向こうに涸沢ヒュッテが小さく見えてきます。もうひと頑張りです。でもここからが以外に遠いなぁと
思いました。遂に穂高岳登山のベースキャンプ地、涸沢に到着です。氷河期の名残を残した涸沢カール
には、涸沢ヒュッテと涸沢小屋が営業していました。テントも花盛りで、外国のアルプスにでも来たような
気分です。

涸沢からは 北穂南稜ルートを登り北穂高岳へと、ザイテングラードを登り穂高岳山荘へのふたつのコー
スが一般的に利用されています。どちらのコースも歩きましたが、整備されていて危ないような箇所はあり
ませんでした。登山者の多くは、ザイテングラードの方へと目指しているようです。最盛期には渋滞するの
ではと思いました。北穂高岳は大キレット越しに槍ガ岳を望むのに最高のポイントです。山頂直下にある
北穂高小屋では休憩スペースで寛ぎながら山頂と同じ景観を味わうことができます。私達もここで一杯立
てのコーヒーを頂きました。確かモンカフェみたいなコーヒーだったと思います。(500円)
それにしても よくもまあこんな高い所に山小屋を建てられたものだと思いました。感心しました。

北穂高岳から涸沢岳〜穂高岳山荘〜奥穂高岳へは穂高連峰のクライマックスと言える岩稜コースを歩
きます。涸沢のコル手前で雷鳥に出合いました。涸沢岳への登りは急なので注意しながら 一歩一歩
確実に登ります。涸沢岳に着くと眼下に穂高岳山荘が、そしてその向こうに最高峰の奥穂高岳が見えま
した。心躍る思いで下って行きました。穂高岳山荘前の広いテラスには登山者があふれていました。この
山荘には2回泊まりました。いつも人が多くて人気の山小屋です。山荘からは空身で奥穂高岳へとピスト
ンする人達を見かけました。近くとは言え万が一の事を考えると荷物は多少でも担いで行った方が良いと
思うのですが・・・。

山荘からの最初の登りが危険だと言われているそうです。鉄の梯子を登る右側の切れ落ちた空間には
現在、転落防止用のネットが張られているようです。あとは岩だらけの登りを楽しみながら、徐々に高度
を上げていきます。周りの北アルプスの山々が眼下に聳えています。もう少しです。飛騨側に聳える笠ガ
岳に見守られながら遂に奥穂高岳山頂に到着です。目の前にはハイビジョンのような大パノラマが広がり
いつまでいても飽きることはありません。頂上には高く積まれたケルンの上に祠があり、側には展望案内
盤も設置されています。涸沢側には結構広い場所があるので のんびりとすることができました。奥穂高
岳山頂には、計3回立ちました。

これからは 馬の背、ジャンダルムを経て西穂高岳へ向かうハードなコースと、吊尾根を辿って前穂高岳
に登り、岳沢へと下りる一般コースに分かれています。私達はこの時は前穂高岳に向かいました。

穂高岳のことを語ると語りつくせないぐらいいろんな思い出があります。きっと登られたことがある皆さん
もそうだと思います。何度登っても飽きることがない山でしょうね。

奥穂高岳の山頂直下です。
前穂高岳から見た奥穂高岳です。
奥穂高岳の山頂直下です。